- 新NISAに楽天ポイントで投資する方法は?
- 楽天ポイントで投資するメリット・デメリットは?
- ポイントの利用上限やもらえる条件は?
この記事では、上記のような疑問にわかりやすくお答えしていきます。
楽天グループが運営するネット証券「楽天証券」では、楽天ポイントを使った投資が可能です。2024年からスタートした新NISAも、ポイント投資に対応しています。
また、投資金額やポイントの条件を満たすことでSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象になることもあり、楽天ポイントを使った投資は非常におすすめです。
本記事では、新NISAに楽天ポイントを使って投資する方法を解説します。
- 楽天ポイント投資とは
- 楽天ポイント投資のメリット・デメリット
- 楽天ポイントで積立投資する方法
- おすすめの投資信託
この記事を読むことで、新NISAへの楽天ポイントを使った投資がスムーズに始められますので、ぜひ参考にしてください。
楽天ポイント投資とは?
楽天ポイント投資とは、楽天グループのサービスを利用して貯めた楽天ポイントを使って投資することを指します。
対象となるのは、NISAで人気の投資信託だけでなく、国内株式(現物取引)や米国株式(現物・円貨)、バイナリーオプションなどの幅広い商品です。
バイナリーオプション
相場の上げ下げを予測し、指定のレートより「高くなるか」「低くなるか」を二者択一で選ぶ取引方法のこと。
2024年から始まった新NISAもポイント投資に対応しており、楽天ポイントを「1ポイント=1円」として、新NISAでの購入代金に充てられます。
また、条件を満たしたポイント投資を行うと、SPUの対象となり、楽天市場のポイント還元率がアップするメリットもあります。
新NISAに楽天ポイントで積立投資する3つのメリット
ここでは、新NISAに楽天ポイントで積立投資する3つのメリットを紹介します。
- 現金を使わずに投資できる
- 現金とポイントを組み合わせての投資も可能
- 1ポイント投資すれば楽天市場での買い物がお得になる
①現金を使わずに投資できる
楽天ポイントを活用すれば、現金を使わずに投資を始められます。
例えば、投資信託は100円から購入できるので、楽天ポイントだけで投資する場合でも、最低100ポイントあれば積立設定が可能です。
普段から楽天市場でのお買い物や、生活費の支払いに楽天カードを利用していれば、毎月100ポイント程度なら自然と貯まるという方も多いでしょう。
そのため、「現金を減らしたくない」「投資は少し怖い」という方でも、リスクを抑えながら気軽に投資を始められるのが、ポイント投資の大きな魅力です。
②現金とポイントを組み合わせて投資できる
楽天証券は、現金と楽天ポイントを併用した投資にも対応しています。
投資信託であれば、最低1ポイントから利用可能なため、「ポイントが少し余っている」という場合でも、無駄なく活用できます。
一方、株式投資は通常100株単位での購入となるため、まとまった資金が必要です。そこで、現金とポイントを組み合わせて使うことで、より柔軟に投資できるようになります。
③1ポイント投資すれば楽天市場での買い物がお得になる
楽天証券でポイント投資をすると、投資額の条件を満たした場合に、楽天市場でのポイント還元率が上がります。
ポイント還元率を上昇させるには、以下の2つの条件のうち、どちらかを満たす必要があります。
- 投資信託:月間合計30,000円以上のポイント投資で+0.5倍
- 米国株式:月間合計30,000円以上のポイント投資で+0.5倍
上記の2つの条件を満たした場合は、楽天市場でのポイント還元率が最大で1倍追加されます。
なお、いずれも現金を含めて30,000円以上投資すれば良いため、以下のような組み合わせでも条件達成とみなされます。
- 1ポイント+29,999円=30,000円
- 500ポイント+29,500円=30,000円
- 30,000ポイント=30,000円
このように、最低1ポイントだけ投資したうえで、合計額が30,000円以上になっていれば条件を達成できます。
ただし、米国株式は個別株が対象となるため、投資初心者の方には少しハードルが高いでしょう。そのため、まずは投資信託での条件達成を目標にするのがおすすめです。
新NISAに楽天ポイントで積立投資する3つのデメリット
次に、新NISAに楽天ポイントで積立投資する3つのデメリットを紹介します。
- 期間限定ポイントを利用できない
- ポイント上限が設定されている
- ポイント投資分にはポイントが付かない
①期間限定ポイントを利用できない
楽天ポイントで投資する際に、期間限定ポイントを利用できません。
期間限定ポイントとは、キャンペーンなどでもらえる有効期限付きのポイントのことです。
例えば、「お買い物マラソン」や「楽天スーパーSALE」などで付与されることが多いですが、投資に使えないのは少し不便に感じるかもしれません。
利用可能なポイントは「楽天PointClub」にアクセスすると確認できるため、どのくらいのポイントが投資に使えるかをチェックしておきましょう。
②ポイント上限が設定されている
楽天証券のポイント投資には、利用可能なポイント数に上限が設定されています。この上限は、以下のように楽天会員のランクによって異なります。
ダイヤモンド会員以外 | ダイヤモンド会員 | |
---|---|---|
1回あたりの利用上限 | 3万ポイント | 50万ポイント |
1ヶ月あたりの利用上限 | 10万ポイント | 50万ポイント |
ダイヤモンド会員のポイント利用上限が非常に高く設定されていますが、それ以外の会員の方でも1ヶ月あたりの利用上限が10万ポイントであるため、一般的な投資で不便に感じるケースは少ないでしょう。
ただし、利用上限には楽天証券以外のサービスの利用も含まれています。そのため、楽天市場や楽天トラベルなどでポイントを多く使っている場合は、投資に回せるポイント数が減る可能性がある点にご注意ください。
③ポイント投資分にはポイントが付かない
楽天証券では、楽天ポイントで投資した分にはポイントが付与されません。
例えば、30,000円の投資のうち1,000円を楽天ポイントで支払った場合、ポイントの付与対象となるのは残りの29,000円分だけです。
ポイントが付かない問題を解消するには、投資で1ポイントだけ使用し、残りは楽天カードで決済するのが賢い使い方といえます。
そして、楽天カードの請求費用にポイントを利用すれば良いでしょう。ポイント支払いを利用したとしても、獲得できる楽天ポイントは減少しません。
ポイント支払いを希望する場合は、楽天e-NAVIにアクセスしましょう。利用するポイント数を入力することで、カードの支払いにポイントを利用できます。
新NISAに楽天ポイントで積立投資する方法
ここからは、実際に新NISAに楽天ポイントで積立投資してみましょう。以下の9ステップで手順を紹介します。
- 楽天証券の口座開設
- 楽天ポインコースの設定
- 投資する商品の選択
- 積立金額を設定
- 分配金コースを選択
- 引落方法と積立日の選択
- 利用するポイントの設定
- 目論見書などの書類を確認
- 注文を確定
①楽天証券の口座開設
楽天証券の口座開設ページにアクセスし、口座開設の手続きを行いましょう。

口座開設には、本人確認書類として運転免許証またはマイナンバーカードが必要です。スマホで書類をアップロードし、審査が完了すると、ログインIDがメールもしくは郵送で届きます。
そのIDを使って楽天証券にログインし、初期設定を行うと取引を始められます。
②楽天ポイントコースの設定
楽天証券にログインし、楽天ポイントコースの設定を行いましょう。まず右上にある「マイメニュー」をタップしてください。

「お客様情報の設定・変更」をタップしましょう。

「ポイント」のタブを選択し「ポイントコース設定」をタップしてください。

「現在のコース」が「楽天ポイントコース」になっていることを確認しましょう。
「楽天証券ポイントコース」に設定されていた場合は「コース変更する」をタップし、ポイントコースを変更してください。

③新NISAで投資する商品の選択
新NISAで投資する商品を選びます。まず、マイページの左上にある「メニュー」をタップしてください。

続いて「NISA」をタップしましょう。

購入したい商品を選びましょう。おすすめの投資信託についてはこちらで紹介しているので、どれを選ぶかお悩みの際は参考にしてみてください。

今回はNISAでも人気の投資信託である「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を選びました。「積立設定」をタップし、手続きを進めていきましょう。

④積立金額を設定
投資商品が決まったら、積立金額を選択しましょう。まず、毎月の積み立て金額を設定します。

⑤分配金コースを選択
分配金をもらわずに投資する場合は「再投資型」を、受け取りたい場合は「受取型」を選びます。
今回選択したeMAXIS Slim米国株式(S&P500)では、分配金を受け取れないので「再投資型」のまま「次へ」をタップします。

⑥引落方法と積立日の選択
引落方法と積立日を設定します。引落方法は以下の3つから選べます。

- 証券口座(楽天銀行マネーブリッジ)
- 楽天カード
- 楽天キャッシュ
楽天カードと楽天キャッシュは、月に5万円ずつ積立てられるため、最大で10万円までポイント還元の対象となります。
楽天カードで決済すると0.5%、楽天ゴールドカードで0.75%、楽天プレミアムカードでは1.0%といったようにポイントが付くので、カード決済は非常におすすめです。
⑦利用するポイントの設定
積立投資に利用するポイント数を設定しましょう。SPUの対象となるには最低でも1ポイント利用する必要があります。

⑧目論見書などの書類を確認
目論見書など表示される書類を一通り確認しましょう。問題なければ「同意して次へ」をタップします。

⑨注文を確定
注文内容に間違いがないことを確認しましょう。取引暗証番号を入力し「注文する」をタップすると、手続きが完了します。
新NISAに楽天ポイントで投資するのにおすすめの投資信託3選
新NISAに楽天ポイントで投資する際におすすめの投資信託を3つ紹介します。
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
①eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
連動する指数 | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス |
---|---|
基準価額(2024年1月30日時点) | 22,054円 |
純資産 | 22599.25 億円 |
過去5年のリターン(年率) | 17.57% |
信託報酬 | 0.05775% |
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は、全世界に分散投資できる投資信託です。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動した投資成果を目指して運用されています。
上記のように先進国23、新興国で24の国・地域へと幅広く投資しているため、リスクを分散できます。リスクを抑えつつも、2024年1月26日時点で過去5年のリターンは年利17.57%と、高水準を記録しています。
「eMAXIS Slim」シリーズは「業界最低水準の運用コストを、将来にわたってめざし続ける」という方針です。全世界株式ファンドにおいても、管理・運用のための信託報酬は0.05775%と、非常に低めに設定されています。
また、金融庁の「つみたてNISA対象商品の分類」によると、「投資先を内外・海外とする指定インデックス投信」での信託報酬の平均は0.30%とされており、eMAXIS Slimが低コストな商品であることがわかります。
このように、投資コストを抑えながら世界全体へと分散投資できるので、新NISAでの長期投資におすすめの投資信託といえるでしょう。
②eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
連動する指数 | S&P500 |
---|---|
基準価額(2024年1月30日時点) | 26,010円 |
純資産 | 34181.68 億円 |
過去5年のリターン(年率) | 21.70% |
信託報酬 | 0.09372% |
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500への連動を目指して運用されている投資信託です。
S&P500は、米国株式市場全体の約80%の時価総額比率を占めているため、アメリカ市場全体の動きをしっかり反映する指数といえます。

引用:楽天証券「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」
2024年1月26日時点で過去5年のリターンは年利21.70%と、高いパフォーマンスを記録しています。(参考:楽天証券「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」)
また「eMAXIS Slim全世界株式」と同様に、信託報酬は0.09372%と低水準であるため、長期的な資産形成を目指す方に向いている商品といえます。
③eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
連動する指数 | なし |
---|---|
基準価額(2024年1月30日時点) | 15,507円 |
純資産 | 2433.39億円 |
過去5年のリターン(年率) | 8.28% |
信託報酬 | 0.143% |
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は、株式や債券、REIT(不動産投資信託)など、複数の資産に分散投資することで、バランスの取れた運用を目指す投資信託です。
下記の円グラフのように、投資商品を先進国や新興国に分類し、8つの資産を均等に購入しています。

全世界株式や全米株式といった株式メインの投資信託と異なり、債券やREITも組み入れることで、よりリスクを抑えた運用が可能となっています。
その反面、2024年1月26日時点での過去5年のリターンは8.28%と、株式中心の投資信託と比べてリターンは控えめです。(参考:楽天証券「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型))
したがって、「高いリターンよりも安定性を重視したい」という方におすすめの商品といえるでしょう。
新NISAに楽天ポイントで積立投資する際によくある質問
最後に、新NISAに楽天ポイントで投資する際によくある質問へと回答します。
ポイントが不足している場合の積立はどうなるの?
ポイント不足分については、現金で自動的に決済されます。そのため、事前に楽天ポイントの残高を確認しておくことが大切です。
新NISA以外にもポイントで投資できる?
新NISA以外の特定口座もポイント投資に対応しています。
楽天ポイント運用で新NISAが利用できる?
楽天ポイント運用では、新NISAが利用できません。
楽天ポイント運用は、あくまで投資の疑似体験ができるサービスです。実際の投資信託の値動きに応じて保有ポイントが増減しますが、実際の金融商品への投資ではありません。
新NISAに楽天ポイントを使いたい方は「楽天ポイント投資」を利用しましょう。
新NISAは楽天ポイントを使ってお得に始めよう
今回は、楽天ポイントで新NISAに積立投資する方法を解説しました。
- 楽天ポイントは「1ポイント=1円」で投資できる
- ポイントのみ、または現金と組み合わせての投資も可能
- 月に30,000円以上投資(ポイント含む)で楽天市場の還元率がアップ
- 期間限定ポイントでは投資できない
楽天証券では、ポイントだけでも投資できるため、「投資がちょっと怖い」と感じている方でも、比較的気軽に始められます。
まずは少額からでも構いませんので、新NISAを活用した投資に少しずつ慣れていきましょう。